つくばの住宅
茨城, Japan
- Architects
- 相坂研介設計アトリエ
- Year
- 2020
要望・敷地・特長
敷地割に比較的ゆとりのあるつくば市内の住宅地の角地に、幾つかの趣味室をもつ
単身赴任者のための住宅を要望された。趣味とはスカッシュやトレーニングという
運動系で、会員制ジムとして貸し出す予定もあり、要求条件は併用住宅に近い。
敷地の東西にはアパートや住宅があるものの、北は飲食店の駐車場、そして南は
緑豊かで閑静な公園が拡がっていて、この景観を活かすことも当然求められた。
大小の諸室を適切に積み重ね、4つの門型で覆った構成
まずはトイレからスカッシュコートまで大小全ての要求諸室を洗い出し、ジム部門、居室部門、非居室部門と、大きくグルーピングした後、大小、長短、高低などの形状に応じて組み合わせ、斜線制限を含む街並みへの整合を図りつつ適切に積み上げた。
それらを、周囲の環境から視線や風を南北に抜き、東西は遮るのに都合の良い1方向ラーメンの4つの門型で覆うことで、一つの建築として統合させようと考えた。
南北にスキップする断面、左右にずれた平面
断面的には、住宅居室の公園の緑への強い志向性を優先させながら、その背部にスカッシュコートやトレーニング室、更衣室などのジム部分を天井高さに応じて潜らせ、公私だけは床で明快にゾーニングするが、居住部は気楽な単身暮らしらしく、奥に行くに従いレベルだけを上げていく、スキップフロアの開放的なワンルームとした。
さらに目前を横切る低い架線が視界から消えるように、3階バルコニーの高さを調整したり、平面的には、二面接道を活かしジムと住居の動線を分けつつ、隅切や駐車、室外機やメーター配置など、さらに細かい条件から4つの門型を左右に微調整した。
一つながりながら、 多彩な個性をもつ居場所
家族が時々泊まりには来るとはいえ単身者住宅なので、住宅の一般的課題である「人同士の相対関係のあり方」よりも、「人間一人の動作や気分と空間との呼応」といった絶対的な課題が前景化する。それは滞在時間の長くなる在宅勤務などの環境下ではなおさらである。床高さの変化×4つの内装色による差異が、茫漠とした単身者の生活に、少しだけ秩序もしくは手掛かりを与えられればと考えている。
Related Projects
Magazine
-
Winners of the 5th Simon Architecture Prize
1 week ago
-
2024, The Year in …
1 week ago
-
Raising the (White) Bar
1 week ago
-
Architects Building Laws
1 week ago