丘のある家
東京都, Japan
- Architekten
- 永山祐子建築設計
- Standort
- 東京都, Japan
- Jahr
- 2006
東京都心、北東の接道面を除く3方向を高い建物に囲まれた、間口6.5m、奥行き20mという敷地に建つ。特に南側の高いマンションが日差しを遮り、昼でも薄暗い。日の当りにくいこの場所で周囲に対して閉ざしながら、どのよう光を導くかを考えた。
高さを北側・道路斜線に合わせたボリュームを敷地一杯に置く。光が入り込みやすいようすり鉢状に凹ませる。すり鉢の底面は中庭となる。中庭にむかって傾けられた東側の真っ白な大屋根は太陽からの光を受ける反射板となり、中庭を挟んで対面する3層に重なる各部屋に光を誘い込む。
山を見た時、人はそこに自分がいる場所とは違う、ある種、特別さを感じる。そこに行ったらどんなだろう、と思いを馳せる。その時、精神は空間を自由に行き来する。均質化した空間にはない、精神的自由さを持つ空間をつくりたいと思った。この住宅には、その1つのきっかけとして白く光る大屋根、“丘”がある。どの部屋からも感じられるが、誰の手にも届かないその“丘”は、意識の中では共有されるけれど、誰のものでもない場所だ。そこから日常生活の隣に流れるもう1つの物語が生まれる。
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