黒松内町庁舎耐震改修・防災センター
北海道黒松内町, Japan
- Architekten
- アトリエブンク
- Standort
- 北海道黒松内町, Japan
- Jahr
- 2015
築50年以上になる役場庁舎の大規模改修( 耐震・断熱性向上 )と防災センターの増築である。既存庁舎は緑の板金屋根と赤橙のレンガ壁が印象的な外観であり、本計画でも町の条例に基づいた濃緑の勾配屋根を採用することが求められた。既存庁舎のRC躯体及び木造の小屋組を残すことを与条件に、機能性向上や新旧の対峙を読み解きながら計画を進めた。
施設の機能面においては、庁舎と防災センターが一体となり、日常の十分な機能を果たすことが目的である。防災センターとして増築可能な面積の一部を南側1スパンに充て、既存庁舎にエントランスホールを確保した。奥行きにゆとりが生まれたことにより、無秩序だった机のレイアウトが整理された。増築部の残りの面積を北側の防災センターへ充て、既存庁舎と同じ幅のプランで一体化した。有事には災害対策拠点として機能し、平常時は町民のコミュニティ施設と役場の拡張スペースとして機能する。中央の吹抜けは奥行きの深い平面形状でありながら職員のサービスゾーンとなり、ハイサイドからの換気により風を全体的に供給している。
内部の露出したコンクリート面は、欠損部のみ補修し白い塗装を施した。表面に陰影が付いたコンクリート面は、新しく作られた平滑な白い壁面と対比をなすことで、年月を経た建築であることを想起させる。また、増築部の天高設定は既存庁舎からの影響が大きく、新旧合さることで緩急のある多様な広がりが生まれている。
外部は、既存庁舎の小屋組に基づく6寸勾配の濃緑板金屋根と、レンガ壁を新旧同じデザイン手法で採用した。また、新旧接合部のエキスパンションを見せないディテールを徹底し、庇や連窓などのパーツを類似させることで、外観の一体性を高めることに留意した。
既存の面影を残しながらも、元々初めからこのような形でつくられたような佇まいを目指した。
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