渋谷ストリーム
東京都渋谷区, Japan
- Architekten
- シーラカンスアンドアソシエイツ
- Standort
- 東京都渋谷区, Japan
- Jahr
- 2018
東急東横線渋谷駅跡地。東横線の始発・終着駅であった場所であり、美しいカーブを描く軌道とホーム、そして、かまぼこ屋根の大らかな風景が多くの人々の記憶に刻まれている。
日常的に慣れ親しんできた記憶を継承し、この場所が持つポテンシャルを未来へつなげること。渋谷の持つ界隈性やストリートの魅力を増幅すること。自転車とスニーカーでやってくるであろうオフィスワーカーに馴染む場所になること。谷地形に対して首都高、明治通り、渋谷川、JR、歩道橋など、様々なアクティビティ、多様なスピード感が交錯する真っただ中にいるダイナミズムと、ここに流れる風そのものを感じること。
国道246 号上部を渡る旧高架橋の一部をそのまま再利用しながら旧東横線の線路線形を踏襲したポーラスな半外部の貫通通路「ストリーム・ライン」。渋谷のスケールにブレイクダウンした路面店のような店舗ボリュームは、吹き抜ける風や光の移ろい、街の喧噪や渋谷川の流れを感じる路地のような抜けとテラスを生み出し、渋谷から代官山へと新たな人々の流れをつくり出す。
明治通りのアーバン・コア側からは、アイコンとなる大階段がストリーム・ラインを経由して、将来的には桜丘町に抜けるルートにもなる。そして、インダストリアルで即物的な素材感の仕上げの中に、ストリームイエローのエスカレーターを配置し、都市スケールで現れる立体的な経路を可視化した。渋谷ストリームは、人々が滞留できる居心地のよい場所であると同時に、街のあらゆる方向に向かって人々の流れをつくり出すハブとしても機能している。
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