家型礼讃
神奈川県鎌倉市, Japon, 2022
これは家型の力を用いて「住まう意志」を結晶化させた住宅である。 古くから使い尽くされてきた家型。その効用は数え切れない。家型を用いることは、まず町並みに馴染ませるための常套策である。そして雨仕舞の合理性から、山間では特に信頼できる形式である。このように家型は、第一に実務面...
ポジティブ・イミテーション
神奈川県横須賀市, Japon, 2022
イミテーショナルな素材には、「使わざるをえなかった」という弁明が付き纏うのはなぜだろう。圧倒的なクオリティまで昇華した模造品をみるとき、むしろその背後にある製造者の企業努力や技術力が透けてみえて、感動することはないだろうか。イミテーションを素直に肯定することでデザインの可能...
道のりを織り込んだ家
神奈川県鎌倉市, Japon, 2020
所在地は鎌倉の西御門である。鶴岡八幡宮の東側に位置し、鎌倉幕府の御所西門があったことから、この名がつけられた。 その歴史的背景のため、繁華街から物件までの道程は、街のアイコンが数珠つなぎとなって立ち現われ、それらを巡り進んでゆくことになる。桜の参道で有名な鶴岡八幡宮の段葛...
物語的改修によるリトリート
神奈川県鎌倉市, Japon, 2019
鎌倉材木座にあるこの300坪の土地と築90年の屋敷。ここは1930年代当時の面影を遺す稀有な場所であったが、その広さゆえに利便性が悪く、利活用の目途が立たずにいた。本件はその再生を図った改修計画である。 計画はまず内装解体から始まった。解体前の天井高は2.5mで、雑壁は土...
環境を切り取る2つの窓をもつ家
神奈川県鎌倉市, Japon, 2019
東京郊外は北鎌倉の山の上に建てられた小住宅である。 この土地特有の六国見山への雄大な眺望と、頭上に延びる青空の広がり。この住宅には、その豊かな環境を切り取る2つの窓を持たせた。それらは互いに全く異なる形式ながら、それぞれがこの環境のある特長的な側面を増長させる装置である。 ...