The Circus
千葉県, 日本
- 場所
- 千葉県, 日本
- 年
- 2022
“車と過ごす”をコンセプトに作り上げた、車が好きなクライアントとその仲間たちが集って楽しむ別荘である。所謂“Garage house”ではなく、車と人、空間の境界を曖昧にするおおらかな空間としたいと思った。
クライアントの要求は様々な用途と使い勝手のフレキシビリティで、そこから想起されたのが円形状のプランである。車や人が自由に居場所を決められて回遊できる、自由で行き止まりの無い形状とすることで、様々なレイアウトに対応しながら、別荘で求められる”非現実空間”の更に上の“超非現実”な居住空間を目指した。
サーカス小屋の構造から着想を得た本プロジェクトは、24角形平面の大きなテント形状のボリュームの中に、テントとは別ボリュームとして自立した巨大丸テーブル形状の2階を中央に置く、シンプルながら大胆な構成となっている。テントを支える中心は無柱で外郭の斜め壁で緊張させている。
躯体材は一般に流通する材料を使いコストを圧縮、高度なプレカット技術と、施工者の緻密なスチール金物製作技術で構造が実現した。
1階は車と人が共存する“Garage Living”空間として計画しており、中央部と外郭部に機能が納まっている。2階はオーナーの寝室としてプライベート空間としており、打たせ湯のあるジャグジーバスが中心に鎮座する。下から見上げると日本の番傘を開いた形を連想させるフレームは、日本的表現も意識した。
クライアントの遊び心で様々なアイデアが飛び交い、そこかしこに楽しい設えが見られ、週末には車好きな仲間たちがクライアントを慕って集っている。幼少時に空き地に作った秘密基地の延長線上のような、私も楽しんで作ったプロジェクトである。
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