UN
神奈川県横浜市, 日本
- 建築家
- 山縣洋建築設計事務所
- 場所
- 神奈川県横浜市, 日本
- 年
- 2010
残地
敷地は東京近郊の丘陵地に新規に開発された住宅地にある。不整形な街区の周辺道路から一定の奥行きで宅地割りをした結果、街区の中央に残地のように生まれた三角形の旗竿状敷地が今回の敷地である。その結果、7軒の隣家に囲まれた状況で、周囲には眺望は期待できなかった。共働きのご夫婦2人のための住宅である。週末にゆったりリラックスして過ごせるような快適性が求められた。
3つの中庭
そこで敷地周辺に壁をたて、プライバシーを確保し、その内側の3つの隅に正確の異なる3つの中庭をつくった。日照条件を考慮して、1階は寝室や水周り、客室としての和室などの個室を配置し、2階に主な生活空間であるリビング・ダイニングを配置している。
前庭
アプローチの階段の上部にオーバーハングした壁により上空を囲まれた庭、周辺と連続しながら玄関前のアプローチ空間を生み出している。また2階では南側に開いたテラスとなっている。
坪庭
1階の和室および浴室に光を取り入れるためにつくられた坪庭、一辺1.8mの正方形の平面に対して、高さは6.5mのライトウェル。
奥庭
一辺が約5mの三角形の庭、敷地の北西の隅にあり、太陽光を壁に反射して、主寝室やダイニングに柔らかい間接光を取り入れる。
SPINE
1階ではそれぞれの部屋から1つの中庭を見ることができる落ち着いた空間となっているが、2階はLDKのワンルームで3つの中庭を同時に見ることができる開放的な空間となっている。この空間の中央上部には木のロフトが横断しているが、これは無柱空間を実現するために、最大スパン約6mの2枚の外壁をつなぐ大切なチューブ状の構造体で建物のスパイン(背骨)としての役割をもっている。
CHAMBER
またこのチューブ状のロフトには温度センサー付きの強力な換気扇がついていて、夏季にはロフト内や2階の天井付近の熱気を強制的に排気するための空気のチャンバーとしての役割も持っている。
普通の住宅街にあるにもかかわらず、敷地が特異点にあるために、特異な空間構成に必然性が生まれた。3つの隅に外部空間をつくることにより、壁で囲まれた閉鎖性の高い外観からは創造できない、開放性の高い空間がつくれたと思う。
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