写真 © YuMing Song
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上海ラインズ

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場所
Shanghai, China
2022
クライエント
中华企业股份有限公司
チーム
Principal architect: Keiichiro Sako
Interior Design
SAKO Architects

上海の黄浦河畔に建つ1 0階建てのこのツインタワーは、明快なセンターコア形式のオフイスビルである。センターコアからカーテンウォールの外壁までは9.7mものキャンティレバー構造であり、エントランスホールのガラス外壁は外周壁から3mセットバックした 位置にある。 インテリアデザイナーとして目指したのは、この建築の特徴を引き出し、さらにそれを強調したデザインにすることであった。 まずイメージしたのは、「小さな箱」の上に「大きな箱」が載っているシンプルな見え方である。カーテンウォールの外観は黒っぽい色になるので、センターコアの要素を白色でまとめることでコントラストをつくり出した。 次に、各部分に「線」の要素を一貫して用いることで統一感をつくり出した。カーテンウォールの外マリオンにより、立面には縦の線が数多く現れる。これを「強い線」と位置付け、その他の線を「中間の線」や「弱い線」としてまとめて行くことにした。

エントランスホールの照明のラインを外マリオンの「強い線」に接続させた。ガラス壁を超えて照明の線が連続することで「黒い箱」のボリューム感が強調された。
エントランスホールの高さ8.5mのガラス壁は、奥行き300mmのガラス方立てとその小口の30mm幅の構造用シールにより支持されている。ミニマルなディテールの反復により、透明感の高いガラス壁が構成された。これらガラス壁の要素を「中間の線」と位置付けた。

最後に「大きな黒い箱」を支えている「小さな白い箱」の表層を「弱い線」で覆った。「小さな白い箱」が負担するキャンティレバー構造の過酷さとは相反するような見え方を狙った。
白い大理石の表面に 30mmのピッチで溝を掘り、2000本を超える細い帯が集まってひとつの白いボリュームを構成しているように見せた。その帯の中間部分で高さが波打つように変化することで、(あたかも isseimiyake の pleats pleaseのような)ファブリックのような柔らかさをつくり出した。 これはモノトーンで透明なエントランスホールの空間に、有機的な要素を差し込む意図であり、オフィスワーカーたちの緊張を和らげる目的でもある。

夜の帳が下りる頃、2つの透明なエントランスホール越しに浮き上がってくる赤く染まった楊浦橋と共に、この地区には美しい光景がもたらされている。

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