くくくの家
神奈川県, Japan
- Architecten
- 田邉雄之建築設計事務所
- Locatie
- 神奈川県, Japan
- Jaar
- 2023
- 構造設計
- ロウファットストラクチュア
- 施工
- 原住建
空を望み、空を切り取る
40代の夫婦のための平屋住宅は真鶴半島に位置し、敷地は南から北に向けて緩やかに下り傾斜する。
約10%勾配の地面にへばりつくように低く構えた断面形状は、ならい風と呼ばれる海からの地域風と外部からの見下ろし視線に配慮したもの。また南側からの採光と水下側への排水計画、建物内のレベル差を極力無くすことを考慮し、敷地に対して建物を配置した。
建主はコロナ禍を経てよりアウトドアを好む傾向が強くなったため、屋根と可動式テントで大きな半屋外空間をつくった。この大きな可動テントは空を自在に切り取り、建物内への光量も調節できる。
リビングと浴室には天井と壁の間の「くの字」部分にトップライトを備え、そこからは真鶴半島の尾根向うに広がる空を望むことが出来る。「くの字」になっていることでトップライトの下の斜め壁がリフレクト効果を生み出し、冬季には直射光を夏季には拡散光として空間全体に柔らかな光を届ける。
平面計画はパブリックとプライベートを分けたシンプルなL字型プラン(二間幅で突き出た二つの屋根と主要居室部の屋根を合わせると「コ」の字型となる)。断面において建物南東側上部の3つの「く」の字が採光や庇の役割を果たす。
構造は傾斜地の特性上、基礎形状を可能な限り単純化するために段差を最小限に抑え単純なマットスラブに近いべた基礎採用した。上部の木構造も入手が容易な製材のスパンに合わせて建物規模を調整。製材サイズは105x150,105x270の2種類のみ、柱は軸力の大きい一部が105x150、その他は105x105。飛び出した屋外部分にはコボットブレースを使用するなど、建物全体として耐力壁はバランスよく配置している。
外壁は地域の自然環境に馴染む土色と仕上を採用し、寝室以外の土間床は、同じく土色に近い塗装(ハニーブラウン)で蓄熱式の床暖涼房を備える。
敷地面積:975.13㎡
建築面積:119.25㎡
延床面積:119.25㎡
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