山口大学医学部創立50周年記念会館
山口, Japan
- Cultuur
- Onderwijs
- Tentoonstellingspavelioenen
- Culturele Centra
- Conference + Congress Centers
- Gedenkstenen
- Architecten
- 岸和郎 + ケイ・アソシエイツ
- Locatie
- 山口, Japan
- Jaar
- 1997
この建物は山口大学医学部の設立50周年記念事業として、同窓生・卒業生が大学のキャンパスの中に記念会館として建設し、最終的には大学に寄付されるべく計画されたものである。従ってこの建物は同窓会館として卒業生に再会の場を提供するだけではなく、医学の最先端のテーマを討論する学術集会や研究会、講演会のための場ともなり、また現役の学生や教職員にとっても日常の責務から開放された空間として、安らぎの場ともなることが求められた。
大学医学部キャンパスの一隅ではあるものの、そうとは信じられないような庭園の中にこの建物は位置することになる。現在は学生たちの憩いの場ともなっているこの庭園は20数年前に今回と同様に後援会によって大学に寄付されたものであり、すでに卒業生にとってはキャンパスの記憶の一部となって久しい。
新しく計画する記念会館はその記憶を壊すことなく、しかし同時に建築と庭園が一体となってキャンパスの中に新しい場を作り出すものでありたいと考えている。過去の記憶を単純に消去してしまうのではなく、新しい記憶を重ね合わせていくことが結果としてキャンパスに刻まれる歴史となるのではないか、と考えこの建物を設計した。
この建物へはその再生した日本庭園の池越しのブリッジから90度右に曲がり、その池を右に見ながらアプローチする。建物の西側約1/3は屋外空間のテラスとなっており、そのまま1階のサロンやガラス越しのスロープへとつながっている。
最上階の講義室以外は屋外・屋内を問わず、視線は常に再生された庭園やキャンパス内の豊かな自然へと向かうよう計画してあり、常に緊張感の支配する場である医学部キャンパス内にいることを束の間でも忘れられる場となって欲しい、と考えているのだ。
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