TOPAZ新御徒町

東京都台東区, Japan
Architecten
永山祐子建築設計
Locatie
東京都台東区, Japan
Jaar
2023

新御徒町に建つ15階建て48戸の賃貸ワンルーム集合住宅。昔ながらの商店街や問屋街があり、下町の風情を残しながら、ものづくりの街として近年注目を集める『カチクラ(徒蔵)』と呼ばれるエリアである。

計画敷地周辺はグリッド状の街区の中に古いビルを残しながら、近年四角い搭状のマンションやオフィスビルが容積目一杯に林立してきている。今回の集合住宅も容積率を最大限に使い切ることを求められた。そこで、天空率を使いこの場所で最も有効に容積を確保できる形を検証していと共に周囲との関係性を考え、最終的に強い周囲のグリッドから外れたR状の扇形状とした。高さ45mのボリュームが奥に控え、角に空地ができたことで圧迫感が軽減された。

ワンルームマンションの顔を作り出しているのはバルコニーだ。周辺のマンションのバルコニーも同様に避難上有効であり、住戸スパンに応じて隔板が現れ、画一的な外観を生む要因となっている。また室外機置場としての役割が主になっており、住人にうまく活用されていないことが多い。今回のプロジェクトでも効率的に部屋を配置し、レンタブル比をあげることが優先されたため、ほぼ同じ部屋の積層となり、当然ながらそこにもバルコニーがつくことになる。そこでこのバルコニーのあり方から考えていった。高層集合住宅のため、構造はRC造が求められたため、重量的に有利なラーメン構造として外周を持ち出しにすることで自由度の高いバルコニーの表現を可能とした。

細い路地を挟んだ向かい側のマンションとの見合いを避け、それぞれの部屋の窓の角度を変化させること、バルコニー同士を隔てる隔板をなくすこと、この2つを解決したのはスター状にギザギザと巡らされた外壁だ。この壁と窓に囲まれた三角形のバルコニーには室外機を置かずに、(室外機は建物裏手にまとめるよう工夫)住民が好きな椅子や植物を置ける場所となり、住まい手の個性が街並みに溢れ出す。微妙な角度に振れた窓とバルコニーによってラーメン構造によって生まれた内側のグリッドにも変化をもたらしている。

低層部はワンルーム、高層部は一部低層部の中央の2部屋を繋げて1部屋とした大きめのワンルームとなっている。部屋の種類は5種類、柱梁が階によってサイズ変わるので微妙に平面が変化する。窓辺の柱から伸びる露出した梁も部屋のキャラクターとなっている。柱グリッドで効率的に分割した室内に対して斜めに配置された窓、その先にV字にバルコニーが広がる。部屋が持つ方向性、正面性が徐々に角度が振れていく窓によって変化し、街との多様な関係性がうみ出される。

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