ファンタジアの家2
プロジェクト一覧に戻る- 場所
- 神奈川県藤沢市, 日本
- 年
- 1999
前回の「ファンタジアの家」の完成後いくらかの時が流れ、子供たちから「今度は自分たち専用のキッチンやトイレをつくってほしい」という要望が出たのをきっかけに、人形劇場と合わせて3棟をあらたに計画することになった。保育園の敷地南西に位置するこの場所は、野放しの雑木林が生む日照不足や湿気が原因となり、子どもたちがあまり寄り付かない場所であった。
まず、多すぎる雑木を整理して、太陽光と風を確保しながら湿気を抜き、次に樹木の足元にひとつの水平な「床」をつくり、子供たちが樹々の間を飛び回れるようにした。地面から持ち上げた水平面は、床下の通風を確保すると同時に、クスノキやクワの葉がつくるやわらかい「天井」を子供たちの目線に近づける。「床」の上には東南にキッチン、南西にトイレ、北西に人形劇場を配置した。樹木下の空間のスケールに呼応するように、それぞれのヴォリュームを抑えながら形にゆがみをもたせ、微妙な関係性が生まれるようにと計画した。3棟の間のオープンスペースは、使用する時々によって機能(リビング、ダイニング、ベッド、客席など)を変化させながら、子供たちの自由な動線を可能にしている。